トムス・スターレットKP47(3K-R)
トムスの創生期を飾ったレーシングカー、トムス・スターレットKP47です。
いわゆるTS仕様のスターレット。
トムスデザインが2016年から始めたプロジェクトで、トムスに保存されていた3K-Rエンジンをレストアし、ここまでに仕上げられました。
ノーマルでOHVだった3KエンジンをトヨタワークスがDOHC化した3K-R。
ボディはベース車両の3次元測定を行い、オーバーフェンダーを復元。
など、技術を投入して行われたレストアは今までとは違い、技術の進化を感じますね。
簡単にレストアと片付けられない多くの技術が投入されたトムス・スターレットKP48。
東京オートサロン2018で見たときには、てっきりトムスに動態保存されていた個体のレストアなのかと思いましたが、復元新調だったとは!驚きです。
トムス・スターレット(KP48)
ステッカー類も当時を再現。多少違いはあるようですが、いい感じです。
ロゴの感じもレトロですね~。
3次元測定により再現されたトムス・スターレット(KP48)のエアロパーツ
フロント・ブリスターフェンダーとワンオフ削りだしの井桁ホイール
既に失われていたフロントスポイラーやリアのダックテールスポイラー、ブリスタータイプのオーバーフェンダーなどのエアロパーツを3次元測定して当時のパーツを再現したり。
果ては当時の井桁ホイールをワンオフで削りだすなど、レースフィールドで活躍するトムスですからできる工程もトムススターレットの復刻に寄与しています。
普通は、工作機械も、ノウハウもありませんから難しいでしょうね。
OHVをツインカム化してDOHCにした3K-Rエンジン
これら最新技術もですが、OHVだった3Kエンジンを、ツインカム化してDOHCにしてしまった当時のトヨタワークスにも驚かされます。
OHVとは、オーバー・ヘッド・バルブの略で、カムシャフトはエンジン下側に、バルブのみをエンジン上方に配置したエンジン形式。
最近の車のほとんどはOHC、(またはDOHC)オーバー・ヘッド・カムシャフトでバルブとともにカムシャフトもエンジン上方へ配置したエンジン。
OHVではプッシュロッドは高回転についていけなくなるのでプッシュロッドの要らないOHCが高回転には向いています。
このトムス・スターレットの3K-Rエンジンはさらにツインカムということで吸気側、排気側で別のカムシャフトが受け持つDOHCとなっています。
そうなると、使えたとしてもシリンダーブロックくらい?ヘッド周りは完全新規での製作となったはずです。
トヨタワークスならではの作業ですが、大変なコストが掛かったはずです。
今ではチョット考えられないことではないでしょうか?
それくらい3K-Rエンジンは貴重で、今回復活したことは喜ばしいですね。
最新の技術が投入された紺秋の3K-Rエンジンはしかし、220 kw ( 299.1 ps ) / 11000 rpmの公開スペック。
1万回転以上回して300馬力を叩き出す、レーシングエンジンとなっています。
トムスのロゴ。
古い時代のトムスのロゴですが、カーサンはこの後の世代。
今の若い方々は更に新しくなった今のロゴしか知らないで知らないでしょうね。
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