サードMC８はルマン24時間耐久レースのホモロゲ取得のためのトヨタ・MR2【SARD MC8】

投稿日：2018年11月5日

サード・ＭＣ８【SARD MC8】

古い写真ですが、サードのMC8です。
1995年のル・マン参戦のためのホモロゲーション取得のためにトヨタ・MR2をベースに作られたサード・MC8。
ワンオフのロードゴーイングモデルです。

MR2の面影を残しつつ固定ヘッドライトに変更、ワイドフェンダー化で太いタイヤを履けるようにし大型リアウィングでダウンフォースを稼げるようカスタマイズされています。

注目はエンジンで、ル・マンを戦うにはちょっと非力な3S-GTEではなく、初代セルシオ搭載の4リッターV8型エンジンである1UZ-FEを搭載しています。
そこへKKK製ターボチャージャーを2基掛けでツインターボとしています。

暫く、東京国際展示場前の大塚家具のショールームに展示されていましたが、最後は中古車として売りに出されていた様子。

どこかのガレージで眠っているのでしょうかね。

この写真はその大塚家具のショールームに展示されていたときのもの。
現在では展示されていないと思います。

ル・マン参戦に必要な機能を盛り込んだためかデザイン的には破錠してしまっているサードMC8。
ご覧のとおり、後付感が拭えません。
もっともホモロゲさえ取得できれば良いのでデザインとしての完成度は求められていないのでしょうが…。

実際、ル・マン参戦車両となる、サードMC8Rはバランス良くデザインがまとまっています。
しかしワンオフの世界に1台しかないプレミアであることは間違いありません。

角型4灯のヘッドライトは固定式になっています。
長いナイトセッションのあるル・マンでは空力や故障の可能性を考えればリトラクタブル・ヘッドライトを廃止したのは当然ですね。
対してウィンカーやスモールランプはMR2のままに見えます。

前後とも大きく張り出したワイドフェンダー。
フレームは専用で設計されているといいますからパイプフレームなのかもしれません。
コックピットはいがいと普通だった記憶がありますのでコックピット周りのモノコックの善後にパイプフレームを溶接した感じかもしれません。

リアフェンダーのパーツの合いが悪いのが写真からも分かります。ワンオフならもう少しピシっと作りそうですが、やはりホモロゲさえ取得できれば良いという発想なのでしょうね。
ちなみにボディの素材はドライカーボン製。

リアフェンダー前側にはベンチレーションダクトが開いていて、インタークーラーかオイルクーラーらしきものが見えています。
Ｖ型のツインターボですから左右両側にインタークラーが配置されていると思われます。

上の写真にはチラリとSARD MC8Rが写っていますね。

大型のリアウィングが目立つサード・MC8。
「SARD MC8」のロゴがウィングサイドに書かれています。

水平翼に垂直翼がつくデザインです。
垂直翼に角度調整の出来そうな穴が開いていることから、垂直翼内側の水平翼は可動式と思われます。

サードMC8が展示されていた場所が壁際だったのでリアビューの写真は撮れなかったので、部分部分となりますが、リア周りはトヨタMR2とそんなに変わりないように見えますね。

注目はミッドマウントされたエンジンのフタとなるエンジンフード。
初代セルシオの4リッターV8型エンジン1UZ-FEが載っているので盛り上がっていますね。
後方視界は悪そうです。

サードMC8のホイールには「SARD」以外刻印はありませんが、形状は、レイズのVOLK RACING Gr.Cそのもの。
ル・マン参戦車両のボディにレイズのステッカーもあることから、VOLK RACING Gr.Cで間違いないと思います。

さて昔の写真からサードMC8をご紹介したしたがいかがでしたか？
けっこうワンオフモデルは廃棄処分されてしまったりで残っていなかったりしますから、このサードMC8は現存しているといいですね。

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